ビジネスをしていると、自社の商品やサービスの熱烈なファンを生むことで、商品が大ヒットすることに夢を抱きますよね。
それこそ、集客なんてしなくても自然とお客様の方から集まってきてくれたら理想的です。
でも、どうやったらそんな大ヒット状態にすることができるのでしょうか?
優れた商品さえあれば、大ヒットするものなのでしょうか?
もちろん、答えはNoです。
確かに、ヒットさせるためには商品自体が優れていることは不可欠です。
が、決して商品だけの問題ではなく、広告のやり方も重要です。
そこで今回は、熱烈なファンを生むヒットの裏側をご紹介します。
そもそも大ヒットってどういう状態?
さて、ここまで「大ヒット」という言葉を使ってきましたが、それってどんな状態なのでしょうか?
おそらく、2通りの解釈があると思うので、ここでいう大ヒットの意味を先に押さえておきましょう。
分かりやすくするために、実際にあった商品の事例で見てみます。
①たまごっち
②iPhone
この2つはどちらも驚異的に売れた商品です。
ちなみに、世代によってはもう「たまごっち」が何者なのか知らない人もいますよね?(笑)
そんな人のために補足しておくと、たまごっちは今から20年ほど前に大流行した携帯型育成ゲームです。
リアルタイムでキャラクターが成長していき、育て方によって進化が異なるという斬新さから、若い女性を中心に爆発的に売れた商品だったんです。
人によっては、この2つのどちらも「大ヒット」と考えると思います。
もちろん、何をもって大ヒットとみなすのかは人それぞれなので、どちらも大ヒットと考えても間違いなんかではありません。
でも、この2つは決定的な違いがあります。
それはヒットの寿命です。
たまごっちは確かにものすごく売れました。
生産が追い付かず、手に入れることのできない人が大量にいたくらいに、です。
ただ、そんな熱も長くは続きませんでした。
しばらくすると、ブームは去ってしまったんです。
これに対して、iPhoneはどうでしょうか?
今でも新作発表は大きなニュースになるし、発売日には長蛇の列ができます。
その人気は発売日の遅い海外からも買いに来るほど!
iPhoneも登場してからそろそろ10年くらい経ちますが、それでも人気はとどまるところを知りません。
ここでは、そんなiPhoneのような状態を「大ヒット」と考えたいと思います。
みんなに求められ、売り込まなくても勝手に売れてしまうような状態が長く続くのが、大ヒットです。
では、そんな大ヒットって、どうやって生まれるのでしょうか?
熱烈なファンを生むヒット商品の裏側
どの商品も販売当初はウォンツを刺激する
あなたはニーズ(needs)とウォンツ(wants)という言葉を聞いたことはありますか?
ニーズというのは、「必要!」と感じる状態です。
これに対して、ウォンツとは「欲しい!」と感じる状態を言います。
商品を企画したりするときによく言われるのは、「それってニーズあるの?」という言葉ですね。
必要だと思う人がいなければ、売れないと思っているからです。
でも、モノが売れるときに必要なのはウォンツです。
人は理屈ではなく、感情で買いものをするので、「欲しい!」と思う人が必要なんです。
ちなみに、水はニーズを刺激するもので、ゲームなどがウォンツを刺激するものです。
人は感情でモノを買うからこそ、どんな商品でもまずはウォンツがあるかどうかを確認してから、つくらないといけません。
そして、商品が完成して売り始めるとき、広告で打ち出すのもまたウォンツなんです。
ここでうまくウォンツを刺激できた商品がヒットへの階段をのぼっていきます。
大ヒット商品は最終的にニーズへと変化する
ここまで散々ウォンツの必要性を話してきましたが、大ヒットする商品は最終的にウォンツからニーズへと変化するんです。
つまり、「iPhoneが欲しい!」から「iPhoneがないといけない!」へと進化するんです。
これこそが、大ヒットの正体なんです。
ということは、やはり商品を生み出す段階から、ニーズとウォンツの両方をもっているものだけが、大ヒットのステージに上がるチャンスがあるということです。
iPhoneの場合、ニーズは明確にありましたね。
iPhone発売の当時、すでに携帯電話は生活必需品でした。
パソコンも同じです。
そんな携帯電話とパソコンの特徴を兼ね備えて登場したのがiPhoneだったんです。
でも、iPhoneの販売当初、携帯電話としての機能やパソコンとしての機能を売り出していましたか?
そんなことはありませんでしたよね。
iPhoneのカッコよさやオシャレさ、話題性をうたっていたのではないでしょうか?
これはまさにウォンツです。
iPhoneを持っているだけでどこかオシャレだったんです。
大切なのは生活に溶け込むこと
では、大ヒット商品のようにニーズへと変化するにはどんなことをしたらいいのでしょうか?
iPhoneのような道をたどるために、何かできることはあるのでしょうか?
iPhoneはウォンツが昇華してニーズになった事例でした。
つまり、完全に生活に溶け込んでいるんです。
この状態になるためには、私の考える限り2つの方法があります。
競合がいない状態でお客様を虜にする
1番理想的なのはこのパターンです。
iPhoneが歩んだのは、こちらの路線ですね。
iPhoneのあとを追うようにAndroidが登場しましたが、それでもiPhoneのシェアはなかなか切り崩せません。
これはiPhoneだけが独自のOSだったことと、デザインなども一貫してAppleブランドのオンリーワンなデザインだったからこその結果です。
つまり、Appleにしかないものでお客様を虜にすることに成功したんです。
ちなみに、悠香の「茶のしずく」もこちら側です。
・無農薬栽培の茶葉
・カテキン含有量日本一の鹿児島県産の茶葉
「茶のしずく」の軸とも言えるお茶において、他社の介入を許さない独自性を持っている状態で、お客様を虜にできたのがこの石鹸でした。
でも、この路線を進むのはなかなか容易ではありません。
中小企業が今から現実的に目指すべきなのは、もう一つの路線です。
商品のファン・コミュニティをつくる
ここ最近の、特に欧米を中心としたマーケティングは、コミュニティを軸に展開されています。
商品を中心にコミュニティができると、そこで人間関係が生まれますよね。
そして、人間関係って、そう簡単には終わらせることはできません。
というか、イヤなことでもない限り、あまり終わらせたいとは思いにくいんです。
だから、コミュニティをもった商品はとても強力なんです。
これは、ネットワーク・ビジネスの強さを見ても分かりますよね。
あるいは、あなたは最近のゲームアプリ業界のトレンドをご存じですか?
今やスマホのゲームアプリで上位に入るのは、世界中のプレイヤーと一緒に遊べるゲームです。
ゲームの中でチームができて、そのチームで協力するゲームのシェアが急激に拡大しています。
なぜなら、そのゲームの中で人間関係ができるからです。
そして、そんな人間関係や仲間意識の心理をうまく利用して、課金を促すのが成功パターンになっています。
人によっては借金をしてまでゲームに課金してしまうのは、そのためなんです。
ある意味、ギャンブルよりも依存性が高いかもしれません。
最後に
ゲームの話はちょっと極端な例でしたが、今の時代に大ヒットを生むためのコツはコミュニティにあります。
コミュニティはとても強い影響力があるので、ぜひあなたのビジネスにも活かせないか考えてみてください。
サービス業であれば、最終的に経営者であるあなたとの人間関係までつながることができれば、ちょっとやそっとのことでは競合に負けません。
あなたはコミュニティをつくっていますか?
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