売上目標を立てる際、あなたの会社ではどのように設定していますか?
一般的には「前年比110%」といったように、前年の数字に上乗せする形で設定することが多いでしょう。しかし、この方法では目標設定の根拠が曖昧で、従業員にとって「なぜ110%を達成しなければならないのか?」という疑問が生じ、モチベーションが上がりにくいという問題があります。
では、納得感のある売上目標を立てるにはどうすればよいのでしょうか?
キーワードは「逆算思考」です。
会社が稼いだ売上は、売上原価や経費、税金を差し引いた後、最終的に「繰越利益剰余金」として残ります。この「繰越利益剰余金」を基準に、必要な金額から逆算して売上目標を作ることが重要です。
本記事では、会社の状態に応じた逆算思考による売上目標の立て方を解説します。
逆算思考で売上目標を立てる3つの視点
会社の財務状況によって、売上目標の立て方は異なります。以下の3つの視点を参考に、自社に適した方法を選びましょう。
1. 繰越利益剰余金を基準にする
将来の成長を見据え、現金を残せる会社は、「ビジョン実現のためにいくら必要か」「社内にどの程度の資金を確保するか」という視点で売上目標を決めます。
例えば、
- 新しい社屋を建てるために○○万円必要
- 新規事業を立ち上げるために○○万円確保
- 将来の景気変動に備えて○○万円のキャッシュを保持
といった具体的な金額を決め、それを達成するための売上目標を設定します。
2. 年間の借入返済額を基準にする
借入金の返済がある会社は、年間の返済額を考慮して売上目標を決定するのが有効です。
例えば、
- 年間1,200万円の借入返済がある場合
- 固定費や変動費を加味し、最低限の利益を確保するためにいくらの売上が必要か?
このように、返済計画を前提に売上目標を決めることで、経営の安定性を確保できます。
3. 損益分岐点を基準にする
経常利益が赤字またはギリギリの状態の会社は、まず損益分岐点(黒字になるための最低限の売上)を基準に目標を設定します。
例えば、
- 固定費:500万円
- 変動費率:50%
の場合、
- 損益分岐点売上=500万円 ÷(1 – 0.5)=1,000万円
つまり、1,000万円以上の売上を達成しなければ赤字となるため、まずはこのラインを超えることを目標に設定し、そこからさらに利益を確保するための売上目標を作るべきです。
なぜ前年比基準の売上目標は問題なのか?
前年比を基準に売上目標を設定すると、以下のような問題が発生します。
- 根拠が不明確
- なぜ前年比110%なのか、具体的な説明ができない。
- 従業員にとって納得感がなく、モチベーションが上がらない。
- 経営環境の変化を考慮できない
- 市場の状況や競合の動向を無視した目標設定になりがち。
- 売上増加の根拠が曖昧なため、達成が困難になることも。
- 戦略的な成長計画が立てられない
- 「昨年より増やす」ことが目的化し、具体的な戦略が不明確になる。
- 必要な利益や資金確保を考慮せず、無理な売上目標を立てがち。
逆算思考で売上目標を設定するメリット
逆算思考で売上目標を決めることで、次のようなメリットがあります。
✅ 目標設定の根拠が明確になり、従業員のモチベーションが上がる
✅ 経営環境に即した現実的な目標が設定できる
✅ 必要な利益や資金確保を考慮し、会社の成長を促進できる
✅ 無理のない計画が立てられ、実現可能な戦略が見えてくる
まとめ
売上目標を前年比で決めるのは、目標設定の根拠が曖昧になりやすく、戦略的な経営につながりません。
そこで、「繰越利益剰余金」「年間借入返済額」「損益分岐点」といった具体的な数字を基準に、逆算思考で目標を設定しましょう。
この方法を取り入れることで、
✔️ 会社の財務状況に合った適切な目標設定ができる
✔️ 従業員が納得しやすく、目標達成への意識が高まる
✔️ 無理なく着実に利益を確保できる
といったメリットが得られます。
経営者として、売上目標の立て方を見直し、会社の成長を確実にするための「戦略的な目標設定」に取り組んでみましょう!
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