ディズニーといえば、キャストと呼ばれる従業員が、お客様をゲストとして演出しておもてなしすることが有名ですね。
このディズニーならではの演出を「さすがディズニー!」と他人事のように思っていませんか?
実は、内容に違いはあったとしても、演出はあらゆるビジネスにおいて、とても重要な意味を持ちます。
演出ができているかどうかによって、お客様のためにやっているキャンペーンも意味がなくなってしまうことだってあるくらいに…。
そこで今回は、ビジネスを成功させる3つの演出をご紹介します!
ビジネスを成功させる3つの演出
演出が持つ行動心理「フレーミング効果」
「演出」と聞くと、相手を喜ばせる、楽しませるというイメージが強いですよね。
だから、エンターテイメント業のことのように思うかもしれません。
でも、演出はあらゆるビジネスにおいて活かせる、とてもパワフルなテクニックなんです。
なぜなら、人は物事を理性だけで合理的に判断することはできないからです。
人が判断をするときには、感情が最優先に動くんです。
これはセミナー1つとっても同じです。
電気も薄暗く、無機質なパイプがむき出しでどこか寒々しい内装の会議室で行われるセミナーと、ふかふかの絨毯と布張りの椅子のある明るい会議室で行われるセミナー。
この2つであれば、人は感覚的に後者の方が質の高い講義が受けられると感じます。
セミナーの本質は講義の中身であるにも関わらず、です。
飲食店だってそうですね。
もちろん、最低限の味は必須ですが、あるレベルを超えると、内装の良し悪しでリピート率が変わったりします。
このように、ほとんどの人は色眼鏡でしか物事を判断できません。
そして、そうであるなら、企業はお客様にできるだけ良い色の色眼鏡をかけてもらう努力が欠かせないんです。
演出1
商品パッケージ&店舗内装&配布物
まず、基本的なところとしては、この3つです。
商品やサービスの良し悪しは、中身で判断されるべきものですが、実際はパッケージや内装から受ける印象に大きく左右されます。
いくら中身が良くても、パッケージがダサかったり、店舗が質素だったらダメなんです。
あなたは、お薬の話でよく「プラセボ効果(プラシーボ効果)」というものを聞いたことはありますか?
小麦粉などの何の医療効果もない粉末を用意して、患者グループAには「最先端の医薬品」と伝えて飲ませ、患者グループBには「ただの小麦粉」と伝えて飲ませます。
すると、患者グループAは病気が治っていき、患者グループBは何の変化もない、といった現象が起きます。
これが、プラセボ効果です。
まさに、病は気から。
つまり、人は印象によって、脳や体そのものが効果を感じやすくなるんです。
なので、シミケア商品だったら、「白くなれそう」と感じるパッケージにしないといけません。
高級感のある商品だったら、質の高いパッケージにしないといけません。
配布物もそうですね。
紙がざらざらで、いかにも格安で印刷したようなものだったら、「小さな会社」「サービスの質が悪そう」という印象を与えてしまいます。
逆に、光沢やマット感のある厚紙だったら、「高級そう」「サービスの質が高そう」という印象を与えます。
そして、意外と見落としがちなのが、商品の写真です。
中小企業の広告でよくある失敗が、「商品写真や店舗の写真が美しくない!」というものです。
写真が暗かったり、発色が悪かったりするパターンです。
これでは、実際のパッケージや内装が素晴らしいものだったとしても、お客様には伝わりません。
お客様の目に触れるときに、素晴らしさの伝わる状態にしてくださいね。
あと、念のために言っておきますが、逆のアプローチでフレーミング効果を使うこともできます。
たとえば、ラーメン店。
店長のこだわりの強い、昔ならではラーメン店だったら、老舗感のある古さを感じる店舗がよかったりもします。
でも実は、このアプローチを今から成功させるのは至難の業です。
すでにそれで成功しているところはいいですが、そうでないところが今からこのアプローチをするのはやめた方がいいですね。
このアプローチに失敗してしまうと、「安さを求める人」しか来なくなってしまい、価格競争に巻き込まれるリスクも高いと思っておいてください。
今、このアプローチで成功しているところは、あくまでも本当に昔からずっとやってきているから、上手くいっているんです。
開店当初から古かったわけではありません。
そこだけ、履き違えないでくださいね。
演出2
価格のプレゼンテーション
これは、広告や接客の際に価格を安く感じてもらう演出です。
今回は、価格のプレゼン方法を4つご紹介します。
高価格のものから先に見せる
人は高いものを勧められた後から、ちょっと安いものを見せられると、実際の価格よりも安く感じます。
だから、やや高めのものを勧めるときには、もう少し高いものを先に見てもらってから、オススメしてみてください。
ただ、これもあまりに価格の落差が大きいと効果がないので注意してください。
松竹梅のコースを用意する
これはさっきの「高価格のものから見せる」の応用バージョンみたいなものです。
価格プランを、低価格と高価格しか用意していないと、低価格に流れるお客様が多くなります。
でも、プランが3つあると、真ん中の価格に注文が集中します。
なので、今のプランが2つしかなければ、もっと上位のプランを1つつくりましょう。
そうすれば、今は高価格で注文の少ないプランが売れるようになります。
さらに、一定の割合で最高価格の商品も売れたりするので、客単価を簡単に上げることができるんです。
同じ効果の得られるまったく違うものを比較する
これはたとえば、ビタミン飲料をイメージしてみてください。
よくこんなうたい文句を見かけませんか?
「レモン1,000個分のビタミンC配合!」
まさにこのパターンです。
これを価格に置き換えて考えてみましょう。
たとえば、「食べながら楽してやせるダイエット食品」を売りたいとします。
この場合、「他のダイエット食品」と比べてはいけません。
比較対象は「毎日3kmのランニング」です。
はたまた「月に数万円払って、辛い運動と厳格な食事制限をするジム」と比較するんです。
ジムの視点に立てば、逆になります。
「毎月数千円で楽して続けられるダイエットを試してみて、実際にやせられたことはありますか?」と言うんです。
これは、「確かな効果があるんだったら、納得の価格でしょう?」というメッセージを伝えています。
価格を分散させて安く感じさせる
たとえば、1ヵ月で消費する商品だったら、1日分で換算してあげましょう。
そうすると、商品の価格自体は高めだったとしても、なんとなく安く感じたりします。
もし、あなたが売ろうとしている商品が3,000円で、1ヵ月ほどで消費するものなら、「1日あたりたった100円!」と言えますよね?
あるいは、「1日1本の缶コーヒーを我慢するだけ!」とも表現できます。
演出3
貢献度にあわせたお客様対応のレベルアップ
はっきり言います。
お客様は差別して対応してください。
これは、「貢献度の低い人には大して接客しなくていい」という意味ではありません。
「貢献度の高い人ほど優遇してください」という意味です。
そして、それをお客様の目に見えるようにすることで、フレーミング効果がかかります。
このように言うと、何かすごいことをしないといけないように思うかもしれません。
でも、できるところからでいいんです。
たとえば、店舗の場合だと、お客様が2回目以降のリピーター様だったら、「今日もありがとうございます」と伝えるだけでいいんです。
これだけで、お客様にはリピート客としてもてなしていることが伝わります。
何度も来てくれている人なら、「いつもありがとうございます」と伝えましょう。
名前が分かるなら、名前で呼んであげて、一言二言の会話をしてみてください。
飲食店だったら、常連さんが新規のお客様を連れてきてくれたときに、「●●さんにはいつもお世話になっています」と店長が席まで挨拶に行きましょう。
そうすると、常連さん的には、自分のことを立ててもらえるので、また新規のお客様を連れてこようと思います。
何より、こうやってお客様を差別していると感じられると、「お客様を大切にしている会社」と思ってもらえるんです。
だからこそ、貢献度に合わせて差別していってみてくださいね。
ビジネスはエンターテイメント!
このように、演出というはあらゆるビジネスで応用ができます。
そして、先にもお伝えしたように、フレーミング効果はかなり大きな影響力を持ちます。
なので、ぜひあなたも楽しみながら演出をしてみてください。
まさにビジネスはエンターテイメント!
演者のあなたから、まずは楽しみましょう。
あなたはビジネスに演出を活用していますか?
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